各種検査
エコー検査
検査部位にプローブと言う探触子を当て、エコーを発信し、そこから返ってくるエコー(反射波)を受信し、コンピューター処理で画像化して診断します。組織の組成によってそれぞれ基本的なパターンがありますが、腫瘍、ポリープ、炎症、結石などは周囲の正常な組織と組成が異なるため、エコー画像では正常な組織との境界にコントラストが生じます。そのコントラストから、医師は異常が生じているかを見つけ出します。腫瘍などの有無だけでなく、その大きさや深達度(どのくらいの深さまで達しているか)も調べることができます。
痛みや不快感がなく、放射線を用いないため被曝の心配もなく、妊娠の可能性のある方や妊婦さんでも検査可能です。
比較的短時間で非常に多くの情報を効率・効果的に知ることができ、検診などのスクリーニング検査からより精密な検査まで行うことができます。
  • 腹部エコー
  • 腹部エコーは肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓など臓器を観察し、のう胞、石灰化、結石、腫瘍など病変の有無や各臓器の大きさや状態など確認することができます。
    のう胞とは液体の溜まった袋で、肝臓、腎臓、膵臓などに加齢とともにみられることがあります。ただし、膵臓に認められた場合は精密検査が必要です。のう胞内に腫瘤が形成されたときも精密検査となります。
    また、臓器内や血管壁などでカルシウム等の沈着が起こることを石灰化、腎臓や尿管、胆嚢等にできた石は結石と言われています。数や大きさによって、精密検査の必要性を判断します。
  • 前立腺エコー
  • 前立腺は男性特有の臓器で、形や大きさなどを調べます。加齢により頻繁に見られるのは前立腺肥大です。
    正常な前立腺は左右対称ですが、病変があると左右が不対象になったりします。悪性の腫瘍などでは、前立腺と周囲組織との境界線が不明瞭になって周囲への浸潤が疑われます。
  • 甲状腺エコー
  • 甲状腺の疾患では病気になると甲状腺が大きくなることが多く、次にしこりの有無を調べます。しこりがあった場合は、腫瘍の位置や形状、内部の状態を判断します。そのときに血流の速度や腫瘍の硬さを調べて、その場で良性や悪性を調べることもできますが、精密検査を勧められることが多いです。
  • 経膣エコー
  • 膣内にプローブという細長い探触子を入れ、子宮と卵巣の大きさや形、位置、周囲との癒着の有無、子宮筋腫や子宮内膜の有無やその種類、妊娠をしているかどうかを調べます。また、卵巣の大きさから排卵の予想も行ないます。
    子宮や卵巣、卵管等の臓器までの距離が近いので、より鮮明な画像を得ることができます。
  • 乳腺エコー
  • 乳腺のしこり(腫瘤)の有無や、もししこりがみられた場合、悪性かを調べる検査です。
    マンモグラフィでは分かりにくい、乳腺組織が発達した若年者の乳腺などには特に有効です。
  • 頚動脈エコー
  • 頚動脈エコーでは血管の性状、つまり頚動脈の形と血流の様子を検査し、狭窄の程度や動脈硬化の程度を調べます。動脈硬化が進行すると、血管がだんだんと細くなって最終的には閉塞してしまいます。
肺機能検査

スパイロメーターという計測器を用いて検査します。鼻から息が漏れないようにし、マウスピースをくわえ、息を吸ったり吐いたりして、肺に出入りする空気の量や速度を測定し、結果から肺機能を診断します。

  • 肺活量
  • 空気を出来るだけ吸い込んで、それをゆっくり吐ききったときの量を調べます。年齢と体重から計算された正常値の80%までを正常としています。
  • 肺活量の減る病気 ▶ 間質性肺炎、肺線維症、結核による手術をうけて胸が変形した場合、
  • 神経や筋力が低下する病気など
  • 努力性肺活量
  • 胸いっぱいに息を吸い込み、一気に吐き出した空気の量を調べます。喘息などの疾患があると吐く力が弱まり、肺活量が減少します。
  • 1秒量
  • 努力性肺活量のうち、最初の1秒間に吐くことができた空気の量です。この量が年齢と体重から計算された正常値より減っているときには、気管支が狭くなっている可能性があります。
  • 1秒率
  • 1秒量を努力性肺活量で割った%です。70%以上を正常としています。1秒率はぜんそくやCOPDなど病気を簡便に見つける指標となっています。
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