お子様の咳、マイコプラズマ肺炎かも?!2024年7月
小児科施 晨

肺炎には、ウイルス性肺炎(RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなど)、細菌性肺炎(インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌など)あるいは両者の混合感染によるものと、その他にマイコプラズマ肺炎(非定型肺炎)もよくみられ、4~5年の周期で流行する傾向があります。

中国では、昨年末よりお子様のマイコプラズマ肺炎患者が増えています。国立感染症研究所の発表では、日本でも4月ごろから感染者が増加しています。

感染経路は咳やくしゃみからの飛沫によるもので、潜伏期間は2~3週間程です。潜伏期間が通常の風邪と違って長いことから、日本で感染し、中国で発症するようなことがあり得ます。

症状は発熱や咳などで、 乾いた咳がしばらく続き、夜間から明け方にかけて激しい咳が出ます。
また、X線像では著明な浸潤像が認められ、下肺野に陰影を認めることが多くあります。

治療はマクロライド系、テトラサイクリン系抗生剤に加え、解熱剤や鎮咳薬、去痰薬の投与を行います。
咳を和らげるために部屋の加湿と保湿に努め、栄養と水分補給を十分に行い、安静に過ごしましょう。

マイコプラズマ肺炎は合併症がなければ予後は良好です。お子様の激しい咳で、マイコプラズマ肺炎を疑った場合は、なるべく早めに受診し治療を開始しましょう。

また、6月以降、上海はますます暑くなり真夏に近づきます。ちょうどその時期から乳幼児のあいだで、ヘルパンギーナなどの夏風邪が流行期に入ります。お子様が夏風邪にかからないためにも、手洗い・うがいをしっかり行うようにしましょう。

※ヘルパンギーナについてはこちらの記事を参照ください→ヘルパンギーナ(夏風邪)が流行しています!

気になる症状がある場合は、いつでもご相談ください。



施 晨(小児科医師)

【経歴】
上海交通大学医学院卒業

上海市東医院小児科勤務3年
上海の日系クリニックにて小児科医師20年
日本成田小児科、須賀小児科、杏林大学附属病院研修
日本小児科学会会員

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