皮膚科専門医のあれこれ話vol.12024年11月
皮膚科松本高明

あなたのその“シミ”もしかして!?

「最近頬にうっすらと茶色っぽい“シミ”が浮き出てきた」

「若い頃と比べると、どうも肌に明るさ、透明感がなくなった」

こんな悩みはないでしょうか?

今日はそんな肌のトラブル、悩みのもととなる症状、疾患をご紹介します。

日光にっこう黒子こくし(別名:老人性ろうじんせい色素斑しきそはん

🔸主に顔面や手背などの露光部に円形、楕円形の大小種々の褐色斑として出現する。
🔸 ほとんどの中年以降の男女に認める。

肝斑かんぱん

🔸30歳以降の女性に好発し男性ではまれ。
🔸境界明瞭な淡い灰色を帯びた褐色斑が、頬部を中心に対称性にみられる。
🔸紫外線により夏季に増悪、冬季に軽減することがある。
🔸妊娠を契機に発症することがある。

後天性こうてんせい真皮しんぴメラノサイトーシス
(acquired dermal melanocytosis : ADM)

🔸前額部側面や頬骨部に灰褐色の直径1~3㎜の点状色素斑が多発して次第に色調が濃くなる。
🔸思春期~中年の女性、特に東アジア人に好発する。

雀卵斑じゃくらんぱん(別名:そばかす)

🔸幼少期より頬部から鼻背などの露光部にゴマ粒程度の類円形、表面平滑な褐色斑が多発する。
🔸夏季の日光で濃くなり、冬季には消失傾向になる。

炎症後色素沈着

🔸ニキビ痕や傷痕、やけど痕がシミになった。
🔸レーザー治療を受けたら逆に色が濃くなった。

ここにご紹介した症例は“シミ”と呼ばれることの多い疾患のごく一部です。紹介しきれなかった“シミ”のなかにはメラノーマ(ほくろのがん)などの悪性腫瘍も含まれます。

気になる“シミ”は一人で悩まず皮膚科専門医に相談しましょう。

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