旬の野菜で夏バテ予防2023年8月
内科中村紘子監修

毎日暑い日が続きますが、夏バテになっていませんか?

暑さの影響で冷たいものが欲しくなり、清涼飲料水やアイスクリームを食べすぎたり、食欲がわかずにそうめんなどの冷たい麺類に偏った食事になっていませんか?
このような食生活では必要な栄養素が不足し、冷たい物の摂りすぎで身体が冷え、自律神経のバランスが乱れて夏バテを引き起こします。

【夏バテの症状】
食欲不振、疲労感、体がだるい、気力の低下、眠りにくいなど

夏バテ予防・或いは夏バテになってしまった場合に、最も効果的な回復方法は栄養バランスがしっかり取れた食事をすることです。

特に旬のものを食べるということが重要で、旬の食材にはその季節にあった体に必要なものを与えてくれます。
きゅうり・トマト・ピーマン・おくら・とうもろこしなどの夏野菜には、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているので積極的に摂るようにしましょう。

中国野菜の空芯菜も今が旬の野菜ってご存知ですか?
実は空芯菜、高い栄養素が含まれているので夏バテ予防にぴったりです。

緑黄色野菜の一種であり、免疫力をアップするβカロテンを豊富に含んでいるほか、汗をかくと失われてしまうカリウムや、ビタミン、葉酸、鉄分など非常に栄養価が高い野菜です。

βカロテン
免疫力を高める役割があります。体内でビタミンAに変化し、風邪予防や、髪の毛、視力、皮膚粘膜などの健康維持にも期待できます。

カリウム
ミネラルの一種で体内の塩分を調整し、むくみ解消や滞った代謝を促進します。血圧の上昇を抑えたり、筋肉の収縮にも深く関係が有ります。

ビタミン
ビタミンB1、B2は、糖質を効率よくエネルギーに変えて疲労回復効果が期待できます。

ビタミンEは抗酸化作用があり、血行をよくしてくれ、美容や冷えの改善が期待できます。

ビタミンKは、骨にカルシウムを定着させる働きがあります。

鉄分
貧血を予防します。酸素を全身の組織に運ぶ大切な働きがあります。

葉酸
妊娠中に必要な栄養素として知られていますが、男性やお子様、妊娠していない女性にとっても大切な働きがあります。
細胞の再生を助けたり、赤血球の生成に関わっています。

【空芯菜を効率的に美味しくお召し上がりいただく方法】

栄養素を効率よく吸収するには、中華料理や東南アジア料理でも定番の油炒めがおススメです。

βカロテンを摂取する際には油と一緒にいただくことで、身体への吸収率がグンと上がります。さらに、ビタミンB1を豊富含むにんにくを加えることにより、香りや風味がプラスされ、食欲増進・疲労回復効果も期待できます。

にんにくが苦手な場合は、カレー粉などの香辛料や香味野菜を活用いただくと、食欲増進・消化吸収促進・疲労回復・血行促進など、さまざまな健康効果が期待できます。

水や熱に溶けやすい性質を持つ栄養素(葉酸)も含むため、栄養素が流れ出さないように、さっと炒めたり、スープにしてまるごとお召し上がりいただくのもおススメです。

肉や魚と一緒に調理することで、鉄分の吸収率がアップするので、貧血の予防にもなります。

旬の野菜を美味しく食べて、この夏を元気に乗り越えましょう。

どうしても夏バテの症状が続く場合は、無理をせずに病院を受診しましょう。

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