乳がん検診のおすすめ (2022-11)
最新のがん統計では、日本人女性が生涯で乳がんに罹患する確率は10.6%で、9人に1人となっています。(国立がん研究センター発表)
2019年の女性の乳がん死亡数は概数で14.838人でした。2018年度の14.652人に比べ増えています。(厚生労働省発表)
残念なことですが、このように乳がんの罹患率、死亡者数は、ともに年々増加しています。そこで、乳がん検診を受けることがとても大切になってきます。乳がんは無症状のうちに検診を受ければ早期発見につながり、適切な治療によって治癒の確立も高くなります。
また、早期発見すれば乳房を温存する治療の可能性も広がり、生活の質の向上につながります。早期のうちに発見して治療することがとても重要になります。
では、乳がん検診はどのように受ければよいでしょう?
日本の集団検診(対策型検診)では、エビデンスに基づき、40歳以上の女性には2年に1回マンモグラフィによる検診を推奨しています。
もちろん、毎年の検診の方が個人としてのがん発見率は高いのですが、集団検診としての費用対効果で2年に1度となっています。
しかし、ハイリスクグループに当てはまる方や、高濃度乳房の問題、若年層の罹患への関心などから、個人や会社の任意型の検診では超音波検査の併用や、毎年の検査をおすすめします。
・乳がんの家族歴(祖母、母、姉妹)がある
・出産、授乳歴がない
・初産年齢が遅い
・初経年齢が早い、閉経年齢が遅い
・閉経後の肥満
・飲酒習慣 など
乳房構成に脂肪が含まれる割合が低い乳房を高濃度乳房と呼びます。不均一高濃度、極めて高濃度と呼ばれる乳腺構造のことです。
マンモグラフィでは、乳腺と腫瘤は画像上濃度が近いため、乳腺濃度が高いと識別が難しいことがあります。この種類の乳腺の場合は超音波検査の併用が有効です。ご自身がどのようなタイプの乳腺構造なのか知っておくのも大切です。
乳がん検診の種類は、マンモグラフィ、乳腺超音波検査、視触診が代表的です。
マンモグラフィは乳がんによる死亡率の減少効果があると科学的に証明されています。超音波検査では見つけにくい、早期がんの特徴のひとつでもある、微小石灰化を描出するのに優れます。
超音波検査は腫瘤の詳細を描出でき、高濃度乳腺にも適しています。人工のプラントが入っている場合や、被ばくもないので若い方や妊娠中にも向いています。
視触診は2017年の国の指針改定により、日本では対策型検診で実施する自治体が少なくなりました。
以上のことより当院では、毎年のマンモグラフィと超音波検査を併用した乳がん検診を、お奨めしています。
超音波検査は3人の中国人医師が担当しています。腫瘤があった場合にはエラストグラフィーという技術を使って識別に役立てます。
マンモグラフィでは、日本の精度管理中央機構の資格を持つ日本人医師と技師が常駐、中国人技師と技術協力しています。また、読影は1次を日本へセカンドオピニオンとして遠隔依頼し、2次を日本で勤務経験のあるベテランの当院中国人放射線科医が行う、ダブルチェック機構です。中国と日本両者の技術と読影で、中国在住の日本人のかたにも安心できる乳がん検診をご提供します。
ご予約・お問い合わせに関しましては、下記電話番号までご連絡をお待ちしております。
【乳がん検診】021-6295-0011*300
【乳腺外来】021-6208-2255